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(1)ハトを使って絵画を見わける実験をおこなってみよう。実験では10枚のピカソ(注1)の絵と10枚のモネ(注1)の絵をつかった。ハトは訓練用の小さな実験箱に入れられる。実験箱にはスクリーン(注2)があり、スライド?プロジェクター(注3)で絵が映しだ
される。
ピカソの絵が映されたときにスクリーンをつつけば餌があたえられ、モネの絵の時には餌がもらえない。また、別のハトは逆にモネの絵では餌をもらえ、ピカソの絵ではもらえないという訓練をうける。ハトはおよそ20日間程度の訓練で①この区別ができるようになる。ハトはモネの絵とピカソの絵がわかるようになったのだろうか。
これはハトがピカソとモネの区別ができるようになったからではなく、20枚の絵を丸暗記して(注4)おぼえただけのことかもしれない。実際ハトはこのくらいの数の意味のない図をまるごと(注5)おぼえる記憶力を持っている。(②)、ハトは訓練につかわなかった、初めて見る絵を見せられた場合でも、それがモネの絵であるかピカソの絵であるかを区別したのである。ハトは訓練のつかわれた特定の絵を丸暗記したのではなく、「ピカソ」の作品、「モネ」の作品という③作風の区別をおぼえたと考えられる。
(渡辺茂『ピカソをみわけるハト』日本放送出版協会による) (注1)ピカソ、モネ:ヨーロッパの画家の名前
(注2)スクリーン:スライドを大きく映す幕
(注3)スライド?プロジェクター:スライドを映す機械
(注4)丸暗記する:全部そのまま記憶する
(注5)まるごと:そのまま全部
問1 筆者は実験の使ったハトにどのように絵を見せたのか。
1 ピカソの絵を見せるハトとモネの絵を見せるハトとに分けた。
2 全部のハトにピカソとモネの両方の絵を見せた。
3 全部のハトにピカソの描いた絵だけを見せた。
4 全部のハトにモネの描いた絵だけを見せた。
問2 ハトがどのようなことをした場合に、①「この区別ができる」と筆者は判断したのか。
1 餌がもらえる絵を見たとき、スクリーンをつついた場合
2 餌がもらえない絵を見たとき、スクリーンをつついた場合
3 ピカソとモネの絵を見ても、、スクリーンをつつかなかった場合
4 ピカソとモネの両方の絵を見たとき、スクリーンをつついた場合
問3 (②)に入ることばは次のどれか。
1 それから
2 もちろん
3 しかし
4 一方
問4 ③「作風の区別をおぼえた」とあるが、どのようなことか。
1 始めてみた場合でも、ピカソとハトの絵がすぐおぼえられるようになった。
2 ピカソとモネの絵を10枚ずつおぼえて、その区別だできるようになった。
3 ピカソやモネの絵とほかの画家が描いた絵を区別できるようになった。
4 ピカソの絵の特徴とモネの絵の特徴が区別できるようになった。
(2)子供に食事のマナー(注1)を教えるときは、“〇〇すべきである”“〇〇しなくではならない”というように、自分の考え方を押し付けるのでは子供たちは納得しません。子供たちは、「美しい食べ方をしていると、人から“すてきだ”とか“かっこいい”とか思われる」という経験を通して、美しいマナーの意味を納得するのです。
それには、家庭や学校などの集団の中で、子供自身に自分のありよう(注2)を意識させることです。そして、きれいで美しい食べ方ができたときには「きれいに食べられたね」「かっこよく見えるよ」とほめてあげましょう。
子供はほめられたことで「またこのようにしてみよう」と思います。こうして(中略)美しいマナーが習慣となり、その場に応じた美しい自己(注3)のふるまいを身につけていくことができるのでしょう。
ところで、皆さんは食事のマナーが成立するには“他者との関係”が不可欠(注4)であることにお気づきでしょうか。
人は人前で食事をするとき、一人で食べるよりもそれなりに整った食べ方をしようとするものです。それは「自分をよく見せない、人からよく見られた
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