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句切れ
句以外の句で終止し、二句切れ・四句切れを五七調といい、また 初句切れ・三句切れを七五調という。
句末が終止形・命令形・係り結び・終助詞であれば句切れとなる。 句切れが二ヶ所あるものや句切れのないものもあり、句切れなしが 和歌では最も多い。
(1)五七調(万葉集に多い)
春過ぎて夏来にけらし/白妙の衣ほすてふ天の香具山(万葉集・一) (春が過ぎて夏が来たようだ。
夏になると白い衣をほすという天の香具山に白い衣が見えるなぁ。)
わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと/人にはつげよあまのつり舟
(古今集・羇旅)
(広い海を、多くの島を目指して配所の隠岐に船出したと あの人に伝えてください。海人のつり舟よ。)
(2)七五調(古今集以降に多い)
契りきな/かたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは(後拾遺集・恋) (あなたと私は約束をしましたよね。互いに涙でぬれた袖をしぼりながら、 末の松山を浪が越すことがないように2人の愛もいつまでも変わらないと。)
我が庵は都のたつみしかぞすむ/世を宇治山と人はいふなり
(古今集・雑下) (私の庵は都の東南にあり閑静に住んでいるが、
世を住みづらく思ってこの宇治山に逃れてくるのだと世間の人は言っているようだ)
(3)句切れが二ヶ所
もろともにあはれと思へ/山桜 /花よりほかに知る人もなし
(金葉集・雑上) (お互いになつかしく思い合おう、山桜よ。
桜花より他に私の心をわかってくれる人もいないことだ。)
(4)句切れなし
春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそ惜しけれ
(千載集・雑上) (はかない春の夜の夢のような浮ついた腕枕ために、 甲斐もなく浮き名が立つのは残念なことだ。)
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