天声人语830-904

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2011830日(火)付

700年ほど前に政治や世情を痛烈に風刺した「二条河原落(らく)書(しょ)」は、「コノゴロ都ニハヤル物」の書き出しで始まる。「夜討、強盗、謀綸旨(にせりんじ)……」と続くが、混乱や退廃を七五調で突いて名高い。民主党代表選を眺めながらモジリの駄文を試作してみた▼「このごろ民主に見ゆる物、居座り、号泣、内輪もめ。詣(もう)で、すり寄り、宗旨替(しゅうしが)え。操(あやつ)り人形、虚言葉(そらことば)、勝ち馬探しの品定め。雨後のタケノコ候補らは、我ぞ我ぞと立ちぬれど、彼ぞと思う人はなし。巧みなりけるはぐらかし、事(こと)新しき風情なく、挙党一致や分裂や▼処分中なる剛腕は、私利怨念(おんねん)の闇支配。手勢となりし人々は、次の選挙をにらみつつ、損得利害はかりつつ、神輿(みこし)担ぎに参じゆく。黄昏時(たそがれどき)になりぬれば、某所各所に顔合わせ、毎度なじみの数合わせ▼今は昔の宇宙人、引退表明覆(くつがえ)し、おのが所業は棚に上げ、同志をペテンとこき下ろす。反省の色さらになく、キングメークに手を貸して」―などと、ここまで書いたところで、決選で野田財務相が選ばれた。「二人羽織」を避ける常識を、何とか示したことになろう▼政権交代を果たした総選挙から、今日で2年たつ。高揚は失せ、失望は怒りへ。誠実そうな野田さんだが、昨秋の菅さんも真っ先に言った「ノーサイド」への、国民の信用は失墜している▼モジリの落書ではないが、この代表選は多くの人にげんなりと映ったろう。次の矢はない最後の機会、とにかく仕事をしてほしい。親(しん)とか反のケンカではなく。

2011831日(水)付

新しい首相の誕生とともに震災後の「特別な夏」がゆく。政治の停滞の中、それでも花火は上がり、祭りの輪は広がり、人は前を向く。鎮魂と祈りの8月の言葉から▼戦後66年、なお多くの戦死者の遺骨が戻っていない。父親が硫黄島で没した広島県の井上忠二さん(77)は島への訪問が30回を超す。「国が戦場に出したなら、帰さにゃいけん。全員連れて帰るまで、わしの戦争は終わらない」各所の戦地に残された遺骨は113万体にのぼるという▼岩手県大槌町の岩崎範子さん(35)は家業のタクシー会社が津波で流され、父親が震災後に他界した。だが再出発し、自らも2種免許を取って運転手に。「町の人たちと車で再会できることが一番うれしい。いつまでも廃虚の街ではなく、建物の間を走りたい」▼さいたま市の節句人形の職人さんらが、震災で亡くなった人を偲(しの)ぶ「おもかげ雛(びな)」を作っている。井藤仁さん(70)「表情には職人の心の内が出る。まさに職人の魂を込めた世界に一つだけの贈り物」職人の感性で、人形に故人の面影を残す▼ドキュメンタリー映画監督の海南友子(かなともこ)さん(40)。原発禍の取材を進めるさなかに自らの妊娠が分かった。「水を飲み、大きく息を吸うたびに赤ちゃんへの影響が心配になる。取材した母親たちの気持ちはこういうものだったのかと実感した」▼朝日歌壇に福田万里子さんの〈気温ならすぐに実感できるのに体感できぬミリシーベルト〉。野田政権の原発政策は、どちらの方向を向く。




201191日(木)付

新首相の野田さんには、好きな3人の小説家がいる。司馬遼太郎、藤沢周平、そして山本周五郎。3人の小説には、夢、矜持(きょうじ)、人情という、政治家に必須な資質が凝縮されているからだ▼その一人、藤沢の随筆に、「駄作」に触れたくだりがある。たとえば短編の場合、「気合に欠けたり、うっかり最初のボタンをかけ違えたりすると、最終的に読むに堪えない駄作が出来上がって来るというわけです」あの名手にして反省は多い▼野田政権は名作と咲くか、駄作としぼむか。気合は十分と見るが、問題は最初のボタンだろう。小沢氏に近い輿石(こしいし)氏の幹事長起用は「両刃の剣」との見方がもっぱらだ。党内融和を最優先した人選だが、かけ違えはないか▼民主党の内紛にも増して、そもそも世間には「小沢氏的なもの」への嫌気(いやけ)がある。幹事長は「人事とカネ」を握る。小沢さんは機嫌を直すにせよ、そんなことで動いたり止まったりする政治への旧弊感は、やはり否めない▼聞けば輿石さんは、野田さんに「どじょう」の詩句を教えた人だという。泥臭さで売る「どじょう宰相」だが、ものの本には、食べやすくした「骨抜きどじょう汁」が江戸で人気を呼んだとある。柳川鍋のルーツらしいが、そうならぬよう注意願いたい▼やはり藤沢の随筆にきびしい一文がある。政治というのは、声が高いわりには非力で、人間を本当に幸福にしたことなどなかったのではないか」読むに堪えない駄作短編でない、名作政治を切に望むが。

201192日(金)付

半世紀余り前に岩手で作られた「津波対策いろはかるた」にはなかなか教えられる。下手な思案よりまず退避、上げ潮にまさる引き潮の威力、初めて安心警戒解除――などと並べ、最後の〈ん〉は「運より準備」と締めくくられる▼その準備のお手本を、東日本大震災で見せたのが岩手県の釜石東中学と鵜住居(うのすまい)小学校だったろう。津波は隣り合って立つ校舎の3階まで来た。だが校内にいた児童生徒600人近くが無事に逃げ切った▼中学生と小学は合流して、1キロ離れた高台へ走ったそうだ。波が迫るのを見ると、先生の指示を待たずにさらに上へ駆けた。その10分後に校舎は波にのまれたという。助かったのは「幸運」ではない。日ごろの訓練のたまものだった▼いま教育場では、災害から身を守るために「自ら考える力」に着目していると、昨日の記事にあった。岩手の宮古小学校では判断力や協力心を養うために「全校遊び」を始めたそうだ。「自分や友達の命を守る力は普段の遊びや学習の積み上げ」という校長先生の言が頼もしい▼今年の防災週間(5日まで)は、緊張感のある訓練が増えていると聞く。実際の役に立たないことを例えて「畳の上の水練」と言う。とかく畳水練のように見られた形骸化が改まるのも、震災の尊い教訓ゆえだろう▼今日あたりからは台風が案じられる。突然襲う地震が背後からの辻斬(つじぎ)りなら、台風は前から迫る袈裟懸(けさが)けの一太刀だろうか。地異にも天変にも「運より準備」の戒めが効く。




201193日(土)付

珍しくというか、海の向こうでオバマ大統領が弱音をもらしていた。先月、50歳の誕生日を前に、経済の立て直しについて「険しいとは思っていたが、これほど急な坂だとは思っていなかった」米国を率いて2年半、いまや当初の熱狂はない▼この間に日本では3人の首相が去った。英誌エコノミストが先ごろ、オバマ氏らに和服を着せた表紙で目を引き、「日本みたいになるぞ」と皮肉っていた。反面教師にされる低迷を返上できようか。野田新政権がきのう船出した▼たらい回しの民主党3代目ながら、批判の声は小さい。だが、なにしろ国難である。不慣れや不手際を大目に見る余裕はこの国にはない。生まれたてのどじょっ子は、いきなり厳しい水にもまれよう▼泥臭さを売る作戦は功を奏しているようだ。世の中、長所で嫌われる人もいれば、短所で好かれる人もいる。トップリーダーには弱点ともいえる「地味さ」を裏返して、プラスの資質に見せる才はなかなかだ▼とはいえ、政権のありようが、どうにも自民党に似てきた感がある。鳩山さんは腰砕けだったが普天間問題を取り上げ、菅さんは脱原発依存を唱えた。政権運営も含めて民主党らしさはあった。その「らしさ」が薄れているように思われる▼エコノミスト誌がかつて、日本人の「失望する能力」の欠如について触れていた。問題山積の自民党政権が続く不思議への皮肉だった。その後失望力は養われて政権は交代する。希望への行程表を早く示して欲しい。

201194日(日)付

立春から数えて二百十日、二百二十日は農の厄日とされる。実りかけた稲穂を、野を分かつ暴風がまま襲うためだ。「二百十二日」に四国に上陸した台風12号は、古人が恨む「野分き」の典型だろう。大型のままゆっくり北上し、影響は列島の端々に及んだ▼飛ばされたトタン屋根や、岸壁を越す波の映像に、風力でも潮力でも、憎らしいエネルギーを善用できないものかと思った。我ながら、ひと夏で節電意識が染み付いた▼東日本の電力使用制限令は、すでに被災地で解かれ、東京も前倒しで終わる。今年は過去4番目の暑さながら、全国の使用電力のピークは、記録的冷夏だった1993年に次ぐ低水準にとどまった。節電の効果である。企業にも家庭にも、それだけ削りしろがあった▼電力需要の最盛期、全国54の原発のうち39は止まっていた。結果的には、原発なしで間に合った計算になる。節電で賄えるなら物騒なものを動かさなくても、というのが人情だろう▼電力需給を皆が真剣に考えた「気づきの夏」植田和京都大教授(環境経済学)の総括だ。「雑巾は絞り切ったと産業界が言うのは大間違いで、省エネの余地は大きかった。必要に迫られれば、いくらでも手段が出てくる」と▼12号の鈍足は、太平洋と大陸の、つまり夏と秋の高気圧に挟まれたのが一因らしい。この野分き、季節を分ける嵐でもあろう。もろもろが一新された折である。節電の習いまで洗い流してはいけないが、一過の空は秋色と願いたい。




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