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通訳の基礎知識
ここでは、まず簡単に通訳という職業の基礎知識を紹介します。 必要なもの
通訳になるには、何を言っても語学力があることが必須です。外国人との会話が堪能でも、プロの通訳になるには正確に言葉を聞き取るヒアリング力や相手に的確に伝える表現力も必要となります。そして言葉の通じない両者の間の架け橋となるような雰囲気を作れる社交性も非常に重要な要素です。
仕事の適性
通訳という職業はさまざまな人に接するので、通訳する内容も幅広くなります。特に専門分野の勉強が常に必要なので、向上心のある人に向いていると言えるでしょう。その場その場で瞬時の判断力や集中力も求められ、プレッシャーをはね返せる、精神的な強さも不可欠です。一般的には、語学スクールで通訳の技能を身につけてからプロデビューを果たします。しかしその後も、仕事の現場で実力を養いながら、レベルアップのためにスクールの上級コースで勉強を続ける人がほとんどです。
雇用形態
通訳といえばフリーランスのイメージが強いのですが、企業の社内通訳者や派遣社員として働くほか、通訳専門会社に登録し、仕事を受けるという方法もあります。通訳の種類は数多いので得意ジャンルをもち、同時通訳がこなせるレベルになると強いでしょう。
通訳について知ろう
ここでは特に通訳という仕事の概要を紹介します。 通訳って何?
ここでは通訳の仕事についてご紹介します。近年、商談、国際会議、外国人講師を招いての講演会が増加するにしたがって、通訳の活躍する機会はますます増えてきています。通訳の仕事はもちろん外国語を母語に、母語を外国語に(外国語からほかの外国語にということもあります)変えて訳し、うまく会話が進むようにすることです。この通訳という両者の中間に立って言葉を訳してくれる人がいないと、会議も授業も成り立たなくなってしまいますし、通訳がおかしな訳をしても、両者の間にしっかりとした意思の疎通はできません。
通訳の方法について
通訳の方法は、それぞれの場合で変わってきます。ビジネスなら、少ない人数で小さな会議室でおこなわれるケースが多く、その場に合わせて通訳することになりますが、講演会では、講演者の言葉をメモしながら聞き、ある程度まとまったところで訳していきます。これに対して、国際会議などでは同時通訳の方法がとられることが多くあります。どんなに訓練を積んだ人でも、聞きながら同時に翻訳してしゃべるというのはたいへん神経の集中を必要とすることで、ふつうは3人から4人で1チームを作り、15分から20分交代で通訳にあたります。
仕事環境
こうした会議などの通訳とは別に、通訳には、本国を訪れる外国人観光客の案内役であるガイド通訳もいます。ガイド通訳は、外国人観光客の本国観光につきそって名所などを案内し、本国の歴史や文化について説明したり、旅行上のさまざまな世話をするのが仕事です。もちろん本国について正しい知識があることが前提になりますね。仕事の環境としては、個人でもできる仕事ですが、通訳会社や旅行会社で働いている人が多いでしょう。一般の会社に社員として就職し、必要なときに通訳の仕事をする人もいます。
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仕事に応じて現地に直接向かうというのがふつうで、働く日も時間も不規則になりやすいのが現状です。また、ガイド通訳のばあい、春と秋の旅行シーズンはとくにいそがしくなります。
通訳の種類
通訳と一言で言っても、その種類は意外と多いのです。そこでどんな通訳が活躍しているのか紹介しましょう。
通訳の種類は大きく分けて5つ
コミュニケーションの橋渡しを担うのが通訳の仕事。国際会議の通訳や商談の通訳など、通訳者の活躍する場面は様々です。どんな場面で活躍できるのか見てみましょう。
会議通訳
会議通訳としてまず思い浮かべるのが分野別の国際会議での通訳です。目的は学術やビジネス、交流など様々で、分野も医学、バイオ、環境、金融、ITなど様々です。国際シンポジウム、政府間会議など、言葉の異なる専門家が集まっての会議における通訳では、政治、経済、医学など専門用語が飛び交う会議の通訳となる為、英語力や通訳スキルのみならず、高度な専門知識が必要とされます。
放送通訳
海外の番組を本国語に訳すものと、母語の番組を外国人向けに外国語に訳していくものがあります。幅広い年齢層の一般視聴者に向けて訳すので、わかりやすい言葉とスピードで訳すことが要求されます。また、映像とあわせて訳すことも大切です。情報が届いてからオンエアまでの時間により、あらかじめ録画された番組を見て準備をする場合と、ほとんど準備のない状態でぶっつけ本番で訳していく場合があります。
ビジネス通訳
商談や社内会議、プレゼンテーションなどビジネスの場面で必要とされる通訳です。分野も自動車、IT、金融、機械、医薬など幅広く、専門用語を知っている必要があります。また、企業にとって失敗の許されない大切な商談での通訳や、予想外に白熱してしまった会議など、どんな場面でも冷静に対応することが求められます。
司法通訳
外国人が関係する事件の取り調べ、裁判などでの通訳。本国の司法制度や法律についての知識の他、常に中立的な立場を貫き私情を交えないといった姿勢が要求されます。国際化に伴い、英語以外の通訳ニーズが増えています。
通訳ガイド
来訪外国人に観光案内や本国の文化を教える仕事です。本国の社会や文化についての幅広い知識が必要とされます。観光以外にも工場の視察などビジネス的なニーズもあります。通訳ガイドになるには国家試験に合格し資格をとらなくてはいけません。アテンド通訳とも言います
自分で通訳の練習をしてみよう
興味のある人は、まず自分で通訳の練習をしてみましょう。 シャドウィング
録画したビデオを使ってシャドゥイングを行います。テープをポーズなしで流しっぱなしにして、ヘッドフォンやイヤフォンからその音声を聞きながら、聞こえてくる日本語をそのまま小さな声で繰り返し、オリジナルのアナウンサーの声を影のように追いかけていきます。これがシャドゥイング(別名リピーティング)です。さあ、やってみましょう。集中力が必要なのが分かりましたか。一つも途切れることなくアナウンサーの声
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を追いかけるのは、なかなか大変な作業だったでしょう。簡単に出来てしまったという人は、今度はわざとほんの少しずつ遅れて着いて行ってみて下さい。
リプロダクション
シャドゥイングの訓練に使ってきたのと同じテープを使って、リプロダクションをしてみましょう。最初の文章を、じーっと、よく聴いて、1センテンス終わったらテープを止めます。今聞いた1センテンスをそのまま日本語で繰り返して下さい。出来ても出来なくても、どんどん次のセンテンスへ進みます。全部頭の中に入れて下さい。こうしてテープの最後まで同じ事を繰り返しますから、最短でもシャドゥイングの2倍の時間がかかります。全体を通して1センテンスが軽くクリアできた人は、2センテンス、3センテンス、1段落と、一度に聞く分量を増やしてみましょう。難しい場合には「言葉」を追うのではなく、「内容」の理解につとめましょう
リテンション
リテンションとは短時間の記憶保持能力のことです。逐次通訳でも同時通訳でも、発言者の言葉を聞いてから、通訳者がその言葉を別言語に訳出するまでの間には、タイムラグが生じます。逐次通訳の方がこのタイムラグが長いのは言うまでもありません。その間自分の耳から入ってきた話の内容を、情報を落とすことなく、しっかりと記憶しておくのがリテンションの能力です。逐次通訳を行うとき、通訳者はメモを取りますが、あれは決して発言を一言一句速記で書いているわけではありません。メモはあくまでも記憶の補助のためのもの、主役は通訳者のリテンション能力なのです。
通訳と翻訳の違い
通訳と翻訳の違いとは何でしょうか? 表現形態がちがいます
「通訳」と「翻訳」は、共に一つの言語を異なる言語に置き換える作業なので、翻訳ができれば通訳もできるだろうと世間では思われがちです。しかし、実は、その性質は作業的に大きく異なります。当たり前のことですが、「通訳」は声を通じて言語を訳すのに対し、「翻訳」は文字によって言語を訳します。つまり、翻訳者は文章での表現力が、通訳者は音声での表現力が必要となってくるのです。
制限時間
「翻訳」は基本的に締切はあるものの、原文をもらってから辞書を引いたり、表現を吟味したりして、じっくり考えながら訳すことができます。これに対して「通訳」は、聞いた事柄を瞬時に正確な日本語に直さなくてはならないし、知らない単語があるからちょっと待って、などとはいかないのです。
どちらが自分に向いているか
翻訳と通訳では、訳すための「テクニック」に大きな相違があります。つまり、これから語学に携わった職業につこうという人は、翻訳者と通訳者では、身につけなくてはいけないスキルが大きく違ってくるという事を理解し、目指す場合は、自分はどちらになりたいのか、またどちらが向いているのかを冷静に判断しなくてはいけません。
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